2007-01-01から1年間の記事一覧

隣の芝生は青い

【やばいぞ日本】第4部 忘れてしまったもの(5) 「隣国同士の同じ関心を持つ若者を集団で見比べることになった結果、次の世代を支える日本人に浸透しつつあった凋落(ちょうらく)傾向が、X線の透過画像のように、はっきりと見えたのです」 世界中の国が…

学びは相互作用

【勿忘草】最近の教科書「詳しくはネットで」!? 「詳しくはネットで」それでいいじゃないかと思う。 先日公表された全国学力テストの結果では「活用」が課題だと言われている。それは当然だと思った。子どもたちは,学んだことを利用したりつなげたりする…

問題を矮小化し,自分たちの責任は棚上げする

【やばいぞ日本】第4部 忘れてしまったもの(2)「お前ら全員辞めさせる」Comments 保護者の理不尽な要求という問題を, 公教育は、秩序ある社会生活を営むための学力や規範意識を身につけさせるものだ。昨年12月に改正された教育基本法の前文にも「公共…

名称は似ているが混同しないこと

全国統一テスト:小学生塾も 「ゆとり」逆手に業界初 四谷大塚が23日実施 <中学受験塾>初の全国テスト23日に 「ゆとり」逆手に 首都圏を拠点とする中学受験塾が、新たな市場を地方に求める動きが加速している。大手進学塾・四谷大塚を運営するナガセ(…

「ゆとり教育」の反省って何だ?

新学習指導要領 「ゆとり教育」の反省を生かせ(11月6日付・読売社説) 次の学習指導要領についての中間まとめは、「ゆとり教育」が行き詰まった原因を自ら分析し、「授業時数が十分でなかった」などと反省点を列挙する異例の内容だ。 確かに様々な反省点が…

教育の対象者はただの容器ではない

[asin:4316347608:detail]以下,本書に収められている新井郁男氏のコラムより引用。 教育はこれまでさまざまに定義されてきたが,その一つとして有名なものは,社会学の祖エミール・デュルケムによる,方法的社会化という定義であろう。教育とは社会化を意図的…

反省文書いたのにまだ反省が足りないって怒られた

【主張】ゆとり教育 まだ反省が足りぬ中教審 http://d.hatena.ne.jp/kaikai00/20071031/1193765217で書いたけれど,中教審や文部科学省が反省文を書いたのは,自分たちの責任を逃れるためで,結局は何も変わらない。 そして,産経新聞のように表面的な変化,…

何も変わらない 心性操作のうまい文部科学省と中教審

中教審が「ゆとり教育」猛反省 平成23年度からの授業は 理、数、外国語が大幅増 学習指導要領の中教審部会案 <中教審>中間まとめ了承 ゆとり転換、理数強化 小学校301時間、中学360時間増=主要教科?新指導要領の審議まとめ・中教審 ゆとり教育見直し、…

そういえば前にも同じようなことがあった

「授業減らしすぎた」中教審が異例の反省 前にも同じようなことがあった。それがこれ。 ゆとり教育について文科相、中学生に謝罪 こうして謝罪やら反省点を列挙するのは別に構わない。それで気が済むならそれでいいと思うから。でも,そんなことにしか結局は…

私はそれを支持しない

「軍強制」復活し来週申請 教科書執筆者が表明 「軍の強制」復活申請へ 教科書執筆者「新証言を追加」 教科書検定:集団自決問題 教科書の訂正申請、文科相「年内結論」 【正論】集団自決と検定 拓殖大学教授・藤岡信勝 “トリック報道”で世論誘導 【正論】集…

教育行政を評価しよう

全国学力テストの結果が発表された。これからやらなければいけないことがある。教育行政を評価するということだ。 全国学力テストは「政策評価」であり,それが目的だ。これまで http://d.hatena.ne.jp/kaikai00/20070425/1177451991 http://d.hatena.ne.jp/…

平成19年度全国学力・学習状況調査 調査結果について

平成19年度全国学力・学習状況調査 調査結果について 全国学力テストの結果について現時点で公表されている資料は,リンク先で見ることができます。

牽強付会

【産経抄】10月26日 大村はま氏の「優劣のかなたに」という詩は,産経抄が取り上げられているような意味で解釈できるだろうか。 24日に文部科学省が発表した全国学力テストの結果をみると、都道府県の間でかなりの差が出た。どこの県が何番目とかまび…

各地の教育委員会の反応の異常さ

全国学力テストの結果に対して各地の教育委員会等の反応について報道されている。それを読みながら驚いた。あたかも今ようやく何が課題なのか,自分たちの状況を初めて知ったような反応が大半だったからだ。そして,その結果を分析して今後に生かしたいとい…

フィンランド探し

国内のフィンランド探しが始まった。そこには今後どっと人が押し寄せるだろう。マスコミはそこを取り上げるだろう。フィンランド探しはお祭り騒ぎ。時期が来たら熱も冷めるかもしれない。だけど,また来年もフィンランド探しが行われる。そうして,問題は残…

動きはもう始まっている

全国学力テストの結果で,全国平均より上回っている,下回っているというような報道がいくつも出てきている。平均より下回ったところではすでに何らかの対策を講じるというところも出てきたようだ。平均より上か下かよりも個々の子どもに目を向けてほしい。…

政治介入の手段である教科書検定制度を批判しないのはなぜか

【正論】集団自決と検定 高崎経済大学教授・八木秀次 教科書検定は学習指導要領や教科書検定基準などすべて法令に基づいて行われている。数を頼んだ政治運動によって、法令に基づいた検定結果が捻(ね)じ曲げられるのであれば、教育基本法の趣旨に大きく背…

競う必要のないものを競わせようとするのは愚かなことだ

【主張】全国学力テスト 競争封ぜず学力の向上を 教育界には相変わらず競争や評価を嫌う体質がある。 相変わらず競争したら学力が向上すると信じ込んでいる体質がある。競争する必要のないものも競争させようとするおかしな主張がある。 個々の子どもの課題…

何で今更?

テスト不参加の犬山市に理由聞きたい=文科相 愛知県犬山市の小、中学校は、公立校で全国学力テストに唯一参加しなかった。渡海紀三朗文部科学相は「残念とは思うが、市の考えがあるのだろう。考えを一回聞いてみたい」とし、不参加理由の説明を求める考えを…

全国学力テストの結果について

全国学力テストの結果について少しだけ書いておこうと思ったら朝日新聞の社説が同じようなことを書いてくれたのでそれを引用。 全国学力調査―これならもう要らない これほど大がかりなテストをした成果が、この程度のことなのか。 小学6年と中学3年のほぼ…

学力テストの報道の仕方に注目しよう

学テの結果について KOYASUさんのブログによれば今日・明日には全国学力テストの結果が公表されるらしい。KOYASUさんが指摘されているように,その結果がどう報道されるかということに注目したい。 内容は,これまで繰り返されてきた報道の内容と大差はない…

こちらのトリックも何とかしないとね

【正論】集団自決と検定 拓殖大学教授・藤岡信勝 “トリック報道”で世論誘導 http://d.hatena.ne.jp/kaikai00/20070623/1182556847で城丸章夫氏が 一九五五年に日本民主党が「うれうべき教科書の問題」というパンフレットを発行して以来、教科書に対する政治…

教科書の記述で白黒はっきりさせようとする,それが問題じゃないの?

自民有志「教科書検定制度は堅持を」 何で教科書検定制度を堅持しなきゃいけないんだろう。今回の問題を見ているとすごく奇妙なのは,歴史の問題は歴史学とかそうした学問の世界で白黒はっきりさせようとするんじゃなくて教科書の記述でそれをやろうとしてい…

教科書が中立であるなどという幻想を抱かないこと

[asin:4887137281:detail]以下本書より引用 ここ20年の間に、学校において誰の知識が社会的に正統化されてきているのか、という問いに答えを与えるということでは、かなり大きな進展がなされている。理解すべきこともまだ多く残されているが、以前よりは、学校知…

この言葉だけでも広く共有されれば

「凶悪犯罪は低年齢化」していない ?子どもに対してせっかちな大人たち ここ最近の教師バッシングや教育改革論には、子どもの成長を「プロセス」として考えることができない、世の大人たちの「せっかちさ」みたいなものが孕まれているのではないかと思うので…

そのまえにやるべきことやれることはいくらでもあるだろうに

財政審:教職員の増員要求、批判続出 来年度予算の焦点に 財政制度等審議会と文部科学省はこんな論争する前にやるべきことややれることはいくらでもあるだろうに。自分たちの点数稼ぎや都合,思惑だけでいろんなものが置き去りにされている。バカじゃなかろ…

課題が何か見いだせたらとっくにやっているよ

全国学力テスト、応用は正答率6?7割 基礎と差つく 今回のテストは、学力低下批判を受けた形で実施され、全国的な学力データを、学校現場や教育委員会が各自の結果と比較することで、改善課題を見いだすのが狙い。 これが今回できてこれまでできなかったと…

都合よく教科書が「中立・公正」などと言うな

沖縄戦集団自決記述に関する見解 教科書検定は「教育内容が正確かつ中立・公正で、地域、学校のいかんにかかわらず全国的に一定の水準」を保つものであることは、第一次家永教科書訴訟最高裁判決(平成5年3月16日)で明らかにされたとおりである。ここで重要…

教師を育てようとしない

夢見た教壇2カ月 彼女は命を絶った 23歳教諭の苦悩 今,教師を育てることが軽視されている。それがこうした問題の背景にある。 【主張】教員免許更新 指導力磨き学校不信拭え この社説に書いてあるような暴論が教師を育てる仕組みを破壊してきた。彼らが…

教科書検定の問題を考えるとき

教科書検定の問題を右翼左翼の構図で語れば,読み物としては面白いのだと思うし,そういう構図で報道すると耳目を引くのだろうと思う。 けれども,そういう構図で教科書検定の問題を語るのは問題を矮小化するだけであり,問題の解決に結びつくとは思わない。…