競う必要のないものを競わせようとするのは愚かなことだ

【主張】全国学力テスト 競争封ぜず学力の向上を

教育界には相変わらず競争や評価を嫌う体質がある。

 相変わらず競争したら学力が向上すると信じ込んでいる体質がある。競争する必要のないものも競争させようとするおかしな主張がある。
 個々の子どもの課題が明らかになれば,その課題をどう解決するかということに邁進すればそれでいい。そこには競争は必要ない。競争させなくても必要なものは大いにやればいいし,やることはできる。
 競争だとか,他との比較にしか興味がないなら点数の上下だけ見ていればいい。それだけを見て一喜一憂し,楽しんでいればいい。それと子どもの学力向上は関係ないから。
 学力テストを相変わらず競うための道具,比較するための道具としか見なしていない。学力テストの意味をその程度としか考えていない。
 学力テストが行われたらその後で必要なことが存分にできればそれでいい。ただそれだけのことがこれまでできていない。それは競争を否定したから,他との比較を否定したからというものではない。そうした対策より競争すること,比較することに興味の大半が向けられてきたからだ。
 学力テストの目的は何か。そのことを考えれば,安易に競争を肯定したり,競争がなければ意味がないなどとは言えないはずだ。競争の必要のないものを競争させるのは愚かなことだ。競争させるよりも,できることを大いに,そして地道に着実にやれと言ってほしい。