2006-03-01から1ヶ月間の記事一覧

国際理解教育と英語必修化について考えたこと

まず、1974年のユネスコ総会で採択された「国際理解、国際協力及び国際平和のために教育並びに人権及び基本的自由についての教育に関する勧告」の一部を引用したい。(勧告は日本ユネスコ国内委員会のサイトの日本語訳のものです。) あらゆる人々が3にいう…

キョウカショという広報誌

学問的云々と言いながら中身は広報誌。しかも、子どもたちは要らないとは言えないし、違うだろうとも言えないし。ただ、深いことを考えずに書いてある通りのことを信じていればいいのだという。 子どもをバカにしたようなキョウカショ。カラフルならいいだろ…

奇妙なもの

ある日学校に奇妙なものが送られてきたらしい。経歴などがびっしりと書き込まれた見合い写真。でも肝心の写真が添付されていないのだという。 そして、一通の便せんにはこう書かれていた。「すべての子どもたちにそれを見せ、キョウイクし、見合い相手を愛せ…

この問題に対する認識の甘さ

1年経ても「力不足」教諭 研修延長(秋田) この記事の「1年経ても」という言葉に端的に表れているのだが、一年間も研修したのに効果が上がっていないということをこの記事は主張している。それは教員の資質に対するものであって、一年間も研修を受けてい…

英語必修化と国際理解は別の問題

小5から英語必修…週1回程度、10年度にも導入 国際理解を目的の一つとして英語必修化で英語を学ばされる子どもたち。その影できちんとした教育が受けられない外国籍の子どもたち。その「国際理解」という言葉は空しい。

多様化や特色という嘘

学力キョウソウ曲:ふくしまの教育は今…/6 「多様性」の虚実 /福島 この記事を読んで、「多様化」ではなく「差異化」が進行しているのだということを改めて感じた。「特色」という嘘は各学校が自分たちの特色について述べたものを横に並べてみるとすぐに…

このような捉え方が問題

朝食とる子、とらない子…数学・英語に学力差−−中学生正答率 /神奈川 朝食をとる子と、とらない子で学力差がでるという話だが、これは、学力の問題を矮小化している。学力の問題は複雑な背景が考えられ、子ども一人一人学力に影響を及ぼしている要因は異なる…

学力テストについてもっと議論をすべき

ベネッセの『BERD』No.04(現在未刊) は「学力調査、その狙いとデザインを考える」という特集を組んでいる。(PDFファイルで閲覧可能)http://benesse.jp/berd/center/open/berd/index.html 特に田中耕治氏の論文。西林克彦氏、新渡幹夫氏、山粼誠二氏の座…

時間どろぼう

「こども←→おとな」[学校・家庭・□?](4)削られる放課後の時間 前も書いたが、「時間どろぼう」は「大人の不安感」。そして、「配慮する」ことを忘れた大人の「責任回避」。子どもの時間を消費することで大人は不安感から逃避している。

育つということ。それを忘れないで。

『教育』4月号 国土社 の「扉のことば」からの引用。 私たちは、教師が育つ場所の一つは教室と学校である、と思っている。学校の外にある研修機関や自主的な学びの場はもちろん大切な成長の機会である。しかし、実践的問題が不断に生起する教室と学校でこそ…

アイデンティティの危機を乗り越えて

教員のライフヒストリーを研究した論文をいくつか読んだ。そこで気が付いたのは、教員が様々な時期に、様々なことが契機となって教員のアイデンティティの危機に陥っているということだ。アイデンティティの危機に陥ったとき、その教員がアイデンティティの…

幻想を捨てよう

安全教育を学習指導要領に 事件多発で文科相検討指示 安全教育が必要というのは理解できる。しかし、学習指導要領に盛り込めばいいかというのは別の問題。学習指導要領に盛り込まれていても、全ての子どもがそれを理解し習得するとは限らない。だから、学習…

思考力の捉え方

二人の子どもにある質問をした。一人の子どもはその場で考え答えを出した。もう一人の子どもは図書館へ行き答えを出した。では、どちらが「思考力」のある(優れた)子どもだろうか。 『教育と医学』 2005年2月号 佐伯胖「考えるとはどういうことか」のなか…

この認識がいつまで通用するだろうか

知事「30歳超の教員合格者は疲れている」/「誤認」「侮辱」と労組 寺田典城知事は17日、春闘の一環として、雇用安定などを求める要望書を携えて知事室を訪れた連合秋田の長谷川秀夫会長らとの対談で、「(教員採用試験に)30歳を超えてから合格した人…

キャリア教育について

岩波講座 現代の教育〈第12巻〉世界の教育改革作者: 佐伯胖,佐藤学,浜田寿美男,黒崎勲,田中孝彦,藤田英典出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1998/12/22メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (1件) を見る熊沢誠 「就職の現実」のな…

これもまたおかしな話

全国学力テスト:犬山市を不参加表明とみなさず−−県教委 /愛知 国が07年度からの実施を目指す全国学力テストに犬山市が不参加の意向を示している問題を巡り、県教委は16日の県議会文教委員会で、「市の施策の方向を示したもので、不参加を表明したもの…

この問題の本質

「生徒不起立は教員処分の対象」君が代問題で東京都教委 記事によれば、 中村正彦教育長は、「学習指導要領に基づく教職員の指導が適切に行われていれば、考えられないこと。処分の対象になる」との見解を改めて示した。 ということだ。 では、教育長や知事…

この教育長の認識もおかしい

ぐんま国際アカデミー助成金問題:教育長会見に批判次々−−県議会特別委 /群馬 教育長は、 内山教育長は同校についてこれまで議会答弁などで「所管外」として意見表明を避けていたが、「義務教育を所管する立場から必要性を感じた」と急きょ会見。同校の英語…

この認識は間違いだ

ぐんま国際アカデミー助成金問題:知事と太田市長、持論展開 対立解消されず /群馬 「子どもたちは等しく教育を受ける権利がある」(清水市長)、「すべて英語漬けにするのは日本の精神にかかわる。憲法上、普遍的な教育をする私学には助成できるが、同校は…

明示化できるものとそうできないもの、明示化すべきものとそうすべきでないもの

育児の悩みへ「子育て教科書」 県教委が作成し活用へ 長い題になった。言いたいことはそこに書いたこと。子育ての教科書をつくるのだというこの記事。子育てだけでなく様々なものには、明示化できるものとできないもの。明示化すべきものとそうすべきでない…

同僚教員評価制度について

教員人事評価と職能開発―日本と諸外国の研究作者: 八尾坂修出版社/メーカー: 風間書房発売日: 2005/12/15メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る 古賀一博「アメリカにおける教員の人事評価と職能開発」から同僚教員評価制度を紹介したい。 同僚…

キャリア教育の問題点

『教育』3月号 国土社 は「ニート・フリーターと青年の自立」という特集を組んでいる。その中から 児美川孝一郎 「日本の若年就労支援策は若者たちを救えるか?」を取り上げたい。 児美川氏はその中で文部科学省がすすめるキャリア教育政策の問題点をいくつ…

こういう時こそ子どもに学ばせよう

学校でカメの飼育はダメ 感染症発生で文科省通知 文部科学省はミドリガメの飼育を「控える」ようにという指示を出したようだ。しかし、この共同通信の記事の見出しにあるように「飼育はダメ」という解釈で記事に 文科省は「爬虫類は基本的には飼育すべきでは…

この問題はおかしい

佐賀県の県立高校の社会科の問題に次のようなものが出題されていた。問題及び回答例は佐賀新聞3月9日に掲載されたもの。 働くことの意義について調べていたE班は、資料6と資料7を見つけた。このような「ニート」と呼ばれる人たちが増えると、どのような問題…

評価は人の成長を促すもの

教員評価/なあなあになっては困る この社説の 教師の新しい評価制度がまとまった。一言でいうと「一方向から双方向へ」という内容だ。教師の質を高めるためというが、本人への「評価の開示」が前提では厳格な評価を下せるものなのか。甘くならないか。 とい…

驚異的なのではない、着実な変化なのだ

田川・金川小:偏差値、驚異的に向上 十数年の地道な活動結実 /福岡 この記事で一番注目しなければならないのは、十数年の地道な活動というところだ。結果は「驚異的」なのではない。着実に成果を積み上げてきた結果なのだから。近年の教育界から失われてい…

今だから必要なことなのか

“ゆとり1期生”に愛媛大補習、院生講師が数学など この記事の、 同大学では2004年度、約8300人の学生のうち114人が退学。理由を聞いたところ、「一般教養科目の数学などで内容がわからず、やる気をなくした」などと言う学生が多かった。危機感を…

デメリットを強調しても

ニートにならないガイド1500部配布 ヤングキャリアセンター埼玉 ガイドブックはA4判、六十五ページ。相談窓口のほか、フリーターのデメリット、企業が求める人材像などの心構えを紹介。また、自己分析や履歴書の書き方など就職のノウハウも盛り込んでいる…

あの素晴らしいあの頃よもう一度

■【主張】高校生の意識 「志」持つことを忘れるな いつまでもこのような主張につき合っているわけにはいかない。彼らは過去を賛美し、現実を歪曲し、未来を悲観する。そういう彼らの嘆きは滑稽で空疎なもの。様々な社会問題を今解決するのではなく、将来の世…

やはりおかしい

懲戒免職問題:県教育長が処分理由 教え子と交際「教壇に立たせることは…」 /佐賀 この教育長の説明では納得できない。 時効制度は、公務員の世界では存在しない この迷言、絶対に忘れないでもらいたい。この言葉の通りならそこにもあそこにも処分されなけ…