この問題はおかしい

 佐賀県の県立高校の社会科の問題に次のようなものが出題されていた。問題及び回答例は佐賀新聞3月9日に掲載されたもの。

 働くことの意義について調べていたE班は、資料6と資料7を見つけた。このような「ニート」と呼ばれる人たちが増えると、どのような問題が生じると考えられるか。資料6と資料7を参考にして、その理由も含めて簡潔に書きなさい。

 資料6は「ニートについての新聞記事」佐賀新聞2005年5月付け記事から抜粋
 資料7は「ニート増加の推移」朝日新聞2004年10月付け記事から作成


となっている。資料6では「ニート」の定義が簡単に示されている。資料7は統計のグラフ。
 この問題の解答例は次のようになっている。

働こうとしない若者が増えるので、所得格差の問題が生じる。

これを見て唖然とした。この回答例は明らかに間違っている。設問の「理由も含めて」にも答えていない。この回答例を作成した方は、ニートの問題と所得格差の問題について明らかに認識不足。ニートの問題を入試で取り上げたところが他にどれくらいあるか分からないが、同じような問題が出題されているのではないか。
 時事問題として出題したのかもしれないが、これは適切だとは思わない。社会科の問題であるということから考えてもおかしい。ニートの問題も所得格差の問題も複雑な問題だ。それをこのように安易に取り上げるべきではない。
 「ニート」って言うな!。こういう解答があったかどうかは分からないが、もし私が受けたならそう書いたかもしれない。