この問題に対する認識の甘さ

1年経ても「力不足」教諭 研修延長(秋田)

 この記事の「1年経ても」という言葉に端的に表れているのだが、一年間も研修したのに効果が上がっていないということをこの記事は主張している。それは教員の資質に対するものであって、一年間も研修を受けているのに何をやっているのかというようなものだ。
 しかし、その教員が受けた研修が本当に妥当だったのかという検証を、記事を書く側は全く行っていない。また、研修を実施する側もきちんと検証していない。
 指導力不足教員の認定を受けた教員の多くは現場復帰できていない。その原因は深刻な状況に陥るまで問題を抱えた教員が放置されてきたこと。認定後に実施される研修が現場から離れる形で実施されるものが多く、いわゆる「実践力」を向上させる内容ではないこと。研修内容について実施者、研修者双方からの見直しができてないことが挙げられる。
 指導力不足教員の問題は、認定された教員がほとんど現場復帰できていない状況にある。それをもっと深刻に考えるべきだ。そして、常に見直しをしていくことが必要だ。この問題についてはもっと教員側が積極的に関わっていくべきだ。そうしなければ行政側からだけの一方的な現在の状況から抜け出すこともできない。