2006-05-01から1ヶ月間の記事一覧

教育基本法 民主党検討会案について

民主党 日本国教育基本法案(新法)要綱(検討会案)について 民主党の検討会案についていくつか疑問な点などを挙げておきたい。前文 心身ともに健やかな人間の育成は、教育の原点である家庭と、学校、地域、社会の、広義の教育の力によって達成されるもので…

教育基本法における個人主義とは何か 続き

田中耕太郎 『教育基本法の理論』 有斐閣 昭和36年(1961年) 第一編、第一章、第一節の序章からの引用。 日本国憲法が民主主義と平和主義の理念をかかげることによって、ファシズム、共産主義をふくむあらゆる種類の全体主義を否定し、また軍国主義、極端な…

教育基本法における個人主義とは何か

田中耕太郎 『教育基本法の理論』 有斐閣 昭和36年(1961年) まずは、この本の紹介から。この本は、有斐閣から教育基本法の解説書を依頼され書かれたものです。目次第一編 総論 第一章 緒論 第一節 序章 第二節 教育と文化 第三節 教育と政治 第四節 教育と…

教育基本法は本当に準憲法的役割を担っているのだろうか

教育基本法の第十条の問題を考えていくと、教育に関する様々な法令との関係を見る必要がある。その中でどうしても引っかかるのは、教育に関する法令の体系は教育基本法を頂点とする体系になっているのか。教育基本法は本当に準憲法的役割を持っているだろう…

日本の将来はこうなるだろう

米新人教師の半分が5年以内に退職=調査 [ワシントン 8日 ロイター] 米教職員組合が行った調査で、米国では新人教師の半分が、教職に就いてから5年以内に退職していることが分かった。労働条件の悪さや、給料の安さが原因だという。 2年半で教師をやめ…

本当に読解力の低下といえるのか?

小学生、読む力苦手 宇都宮市教委の学習定着度調査 文章の読解力が試されることは算数でもある。 例えば、「1人あたり7本の鉛筆を5人にあげました。全部で鉛筆は何本ですか」という問い。「1×7」にしてしまって、5人をどう計算すればいいか分からない…

公教育を疲弊させているものは

社説 活力ある成熟国をめざして(5) 分権・自由化で意欲に満ちた教育の場を(5/8) この社説では、 いったい、何が公教育を疲弊させているのだろうか。大きな問題点は、国による画一的統制の下で、地方や学校で十分な創意工夫ができない現状があることだ。文部…

経済界が望む教育とは

前のブログで紹介したことがあるのだが、永野重史氏の「変化した心理学と「学力」のとらえ方」という論文で、D.P.キーティングが「産業社会」と「情報化社会」2つの社会における教育の特徴を指摘したものを表にまとめてあった。それをもう一度紹介したい。 …

サービス過剰の教育

ノートからごみ出しまで=基本教える必修授業−金沢大、今年度から この記事の 「教授が繰り返す部分は重要事項。しっかりメモして」−。ノートの取り方からごみの出し方まで、大学生活の基本を教える授業が、今年度から金沢大学(金沢市)で始まった。 に引っ…

教育基本法第十条にもっと注目を

月曜日以降に民主党の案が出てくるのでまた教育基本法についての報道も多くなるだろう。報道などでは「愛国心」の問題が中心になっていて、それ以外の部分にはあまり注目が集まっていない。その注目されていない部分に重要なものがいくつかある。その中で教…

教育基本法改正の必要性を問う

今後における学校教育の総合的な拡充整備のための基本的施策について(答申) (第22回答申(昭和46年6月11日)) この答申はいわゆるゆとり教育路線の出発点になったものだ。この答申には、現在の教育改革の議論と教育基本法改正をめぐる議論とほぼ…

学力テストと権威

学力テスト実施/国の権威ある行事の一つに この社説では途中までは学力テストは教育の質の向上のためであると述べている。しかし、途中から 旧文部省は、昭和四十一(一九六六)年まで毎年、全国一斉学力テストを実施し、児童、生徒たちの学力レベルを具体…

内から外へ、外から内へつなぐ

理科離れ、数学が嫌いなどが問題になっている。そこで、まずは子どもに理科や数学などへの関心を高めてもらおうという取り組みが行われている。そういう取り組みを眺めながら思うことがある。 理科や数学に限らずどの教科の学びも、教室の内から外へとつなげ…

体罰と期待と

「体罰は教育だ」戸塚校長が刑務所から出所 教育言説をどう読むか―教育を語ることばのしくみとはたらき作者: 今津孝次郎,樋田大二郎出版社/メーカー: 新曜社発売日: 1997/04/05メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (2件) を見る 今津孝次郎…