教育基本法第十条にもっと注目を

 月曜日以降に民主党の案が出てくるのでまた教育基本法についての報道も多くなるだろう。報道などでは「愛国心」の問題が中心になっていて、それ以外の部分にはあまり注目が集まっていない。その注目されていない部分に重要なものがいくつかある。その中で教育基本法第十条にもう少し注目してもらいたいと思う。

第十条(教育行政) 教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負つて行われるべきものである。
 教育行政は、この自覚のもとに、教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標として行われなければならない。

 これは、教科書問題、学習指導要領、学力テストなどの問題と密接に関わってくるものだ。例えば、全国統一の学力テストに不参加を表明した教育委員会文部科学省は参加を「指導・助言」はできても「命令」はできない。また、よく学習指導要領から外れていると言って批判をし、文部科学省に何とかできないのかと言われることがある。しかし、文部科学省は教育の内容にどこまで口出しをできるのか、強制的に変更させることが可能かというような問題もこの条文が関わってくる。この条文についてはいわゆる「学テ」や教科書検定などに関する判例がある。
 報道では、この条文を削除すべきという主張があったが、教育基本法第十条は簡単に削除すべきと言うようなものではない。これから時々教育基本法第十条について書いていこうと思う。教育基本計画なども重要な問題だ。報道されていないところにも重要な部分がある。「愛国心」の議論だけでなく、そういうところにも目を向けていきたい。