こういう取り組みをもっと広めたい(再掲)

教師が作る学力テスト…「現場の知」凝縮

 教師自身に作問させる理由について、同県教育庁は〈1〉子どもがつまずきやすい個所など現状を知っている〈2〉授業の改善につなげる作問ができる〈3〉教師自身の勉強になる――と説明する。

 本来なら学力テストはこの記事にあるように、教員が作成し、実施し、対策を講じることが必要だ。来年から実施される全国学力テストでは、ここで挙げられているようなことは期待できない。
 記事では、

 しかし問題もある。まず教師の負担増だ。特に記述式問題は採点が難しく、現場から悲鳴が上がっている。ある中学校社会科の教師は「授業に部活、その後に採点だから、帰宅は毎日深夜だった」と明かす。作問・分析の力も問われる。熊本県教育庁の一井武明教育審議員は「まだ改善の必要がある」と指摘する。

という問題点を挙げている。まず、教員の負担を減らすには、必要最低限のテストを実施するようにすること、また、問題数や方法などその時々に合わせて選択すること。一つの単元が終わるごとに問題数の多いテストを実施しなければならないのではなく、時には1〜2問程度のテストを実施しても良いということだ。それは、教員自身が選択をすればいい。だから、毎回大変だということにはならない。
 さらに、教員の評価能力を上げるには、「評価」について教員養成段階から基礎となる理論などを学ばせる必要がある。現在はそういうことがほとんど行われていない。また、欧米と比較すると「評価」についての研究が日本では十分に行われていない。「評価」についての研究を奨励し、深めていくことが必要だ。
 全国学力テストはこの記事にあるような取り組みを阻害する。それは、全国学力テストが過度に信頼され、それだけやっていれば十分だという錯覚に陥るからだ。
 子どもの学力を伸ばそうと思うなら、何よりまず子どもに一番近いところできちんとした取り組みをやるべきだ。だから、この記事で紹介されている取り組みをもっと広めてほしい。