この程度の認識しか持たないのか

「教基法」通過/会期内に成立させ再改正を

 安倍政権が今国会の最重要法案と位置付けている教育基本法改正案が、衆院特別委員会での単独採決に続いて、本会議でも野党欠席のまま与党などの賛成多数で可決され、参院に送付された。
 約六十年ぶりの初改正に向けた一つの区切りであり評価できる。ぜひとも会期内に成立させるべきだ。ただ、今回の改正案には問題点が残っており、再改正を視野に入れる必要もある。

 この社説の「今回の改正案には問題点が残っており、再改正を視野に入れる必要もある。」という主張には呆れてしまう。これは、教育基本法も他の法律と何ら変わりなく、都合が悪ければ何度でも改正して構わないと言っているようなものだ。
 今回の改正案に問題があるというなら、修正し再提出せよと主張すべきだ。教育基本法の性質を考えたとき、都合が悪くなればいつでも改正するようなものではない。現行の教育基本法は教育理念と法律とを架橋する役目を負っており、そのために、この法律には他の法律とは異なり、実定法の体をなしていないという批判があるように、理念的なものだけに絞って条文化されている。
 そのような法律を、先ずはできるところから改正し、時期を見て再改正するというようなことはすべきではない。この社説のように再改正もなどと軽々に主張するのは、教育基本法をきちんと理解していないからだ。