井の中の蛙は誰か

井の中の蛙」の危険

 この記事にあるような話をたまに見聞きする。井の中の蛙なのはこの記事を書いた記者ではないのか。日本が経済発展をしていた頃、アメリカでは日本の経済発展の背景に日本の教育があるとし、日本の教育を手本に教育改革を進めた。この記者はその頃のアメリカの人たちと同じ視点で中国や韓国、東南アジアの国々の教育を見ている。それが井の中の蛙なのだと言いたい。
 日本は経済発展とともに教育の量的拡大は進んできた。多くの子どもが高校へ通うようになり。大学全入といわれるようになった。しかし、今の日本の教育はそこから先の姿を描ききっていない。それは、日本の以前の姿を他国に重なり合わせ、そこに戻りたい、戻すべきと考える井の中の蛙が教育改革を行おうとしているからだ。
 日本がこれから描く教育像は、日本の過去の姿ではなく、手本のない新しい姿を描き出さなければならない。そのためには井の中の蛙ではだめだ。見つめ直すべきなのは井の中の蛙が描こうとしている教育像だ。