社会に目を向けない教育改革

 大阪市の橋下市長が「教育改革」をやろうとしているようだ。でも、そこに欠落しているのは、社会へのまなざし。教育は社会と密接不可分な関係にある。教育改革の先には社会を変えるという視点があり、そこから改革を考える必要がある。学校という建物、「教育」という限られた範囲だけであれこれと考えてもそれは井の中の蛙。たとえば、留年の問題。それを行ったとして、社会がそれを受け入れなければ何の意味もない。PISAで話題になったフィンランドには落第の制度がある。フィンランドの社会はそれを許容している。だからこそできること。橋下市長がどれだけ考えて留年を言い始めたのかはわからない。留年を言うなら同時に社会にそれを許容させる仕掛けを提唱しなければならない。橋下市長の「教育改革」には社会を変えるという視点が無い。教育を変えれば社会が変わるだけで無く、社会を変えなければ教育は変われない。