出始めた芽を摘んでどうするのか 全国学力テストにしがみつく人たちの愚行

学力テスト抜本見直し、全校参加復活も検討

 記事によれば,

 新政権で全校参加から抽出方式に変更された「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト=学テ)について、文部科学省は検討会議を設置して抜本的に見直すことを決めた。
 3年続いた全校参加方式を取りやめたものの、4月の学テでは希望参加校が殺到。「抽出方式への変更は拙速だった」との批判が改めて強まったためで、対象学年や教科増のほか、全校参加方式の復活も検討対象とする。

という。文部科学省も地方の教育委員会も出始めた芽を摘むことしか考えていない。
 全国学力テストは国が必要とする調査であり,それには適切な規模があり,適切な方法がある。地方の教育委員会が必要とする調査にも適切な規模があり,適切な方法がある。小回りが利かず,柔軟性もない調査をなぜやる必要があるのか。
 作問や採点,予算の不安は,国と地方の教育委員会が協力すれば解決することはできる。全国学力テストに一元化する必要はない。予算が不足しているならば,国が予算を確保したり,地方自治体で確保する。予算の無駄を省くのであれば,省いた分の予算をそこに回せばいい。作問や採点の不安があるならば,国と地方の教育委員会などが支援組織を立ち上げ,作問や採点の支援を行う仕組みを作ればいい。それだけではなくて,支援のできる「テスト」の専門家もきちんと育てていけばいい。
 全国学力テストにばかりこだわって,自分たちができることを考えもしないし,やりもしない。文部科学省も地方の教育委員会も考えている方向が間違っている。

 各教委などからは「国費で実施するのに自治体の財政力により受けられない児童生徒が出るのは不公平」「学校ごとのデータ把握が不可能になった」などの不満が出ていた。

という不満を口にしている教育委員会は,国に対して地方で独自にやるから予算を回す仕組みを作ってほしいということを要望したのだろうか。していないのではないか。それは当然のことかもしれない。自分たちにできることを考えないのだから。また,データの把握が不可能になったというけれど,それはなぜだろう。必要ならば,自分たちで調査を行えるではないか。これらの不満を言っている教育委員会は間違っている。
 自分たちにできることをどれだけやっているのか。それを文部科学省も地方の教育委員会も考えるべき。全国学力テストにしがみついているだけの現状を変えなければいけない。