必要なのはプライドじゃない

学力テスト 不参加貫くプライドを

 必要なのはプライドではない。必要なのは,全国学力テストという長いものに巻かれず,自分たちにできることを考え,それをやろうとする姿勢だ。
 全国学力テストに参加しているというだけで,何かを見ているような,何かをやっているような気分になっている。かつて犬山市教委が掲げていたように,その地域の子どもはその地域が責任を持って育てる。そのために,自分たちにできることをやっていく。そういう姿勢を持っているところがどれだけあるのか。
 学力テストが必要なら,それをやればいい。全国学力テストという枠組みの中でしかできないというものではない。自治体毎にやっても良いし,いくつかの自治体が合同でやってもいい。多様な枠組みの中で必要に応じてやっていけばいい。
 全国学力テストに参加しているというだけで,何かを見ているような,何かをやっているような気分になっているのは自治体の教育関係者だけではない。保護者も同じだ。全国学力テストは全国規模の模擬試験でも偏差値を知るためのテストでもない。全国学力テストは個々の子どもの課題をつかむために行われるのではない。例えば,個々の子ども課題をつかみ,対策をとるということが目的ならば,違った方法でいくらでもできる。全国学力テストへの不参加は,保護者にとって不利益をもたらさない。全国学力テストに過剰な期待を寄せ,自分たちに必要なことをやれない現状こそ,保護者にとって不利益をもたらす。
 自治体の教育関係者も保護者も,全国学力テストという長いものに巻かれた状況から早く抜け出すこと。それが今一番必要なことだ。