産経新聞は変わらない

【社会部発】日教組は変わったのか

 産経新聞は変わらない。この記事を読んでそれを再認識できた。
 まず,この記事を書いた記者は

高崎経済大学八木秀次教授によれば、1920年代のソビエトの教育界では「総合技術教育」という似たような施策が実践された。「良き労働者を育てる」ために児童生徒は勤労現場にかり出され、その結果、学力や規範意識の著しい低下を招いたために、30年代半ばに葬られた施策だ。「日教組をはじめ日本の教育界で『ソビエト教育』の信奉者は依然多く、日教組はこれを下敷きにしているのではないか」(八木教授)。政権を支える立場になった今、現実に何が起こるか。しっかりと見守る必要がある。

というトンチンカンな解説を鵜呑みにしているようだ。最近,八木氏はこの話題を各方面で行っている。誰に吹き込まれたのか知らないけれど,教育思想というものが単なる単位取得や採用試験のための暗記項目に成り果てているような現状において,彼の解説するようなことは現実離れした話。彼の中では現実なのかもしれないけれど。
 また,

日教組反戦平和教育を支える平和教育分科会で気になったのは、平和教育が教科学習だけでなく総合学習や学校行事、修学旅行などで行われている

と言い,

児童生徒の自主性を前面に出せば、批判を浴びても「子供の選んだ取り組み」を理由に矢面に立つことは少ない。しかし、教師は要所要所で組合寄りの教育に導びいていく。組合流の教育課題を公教育に持ち込むさまざまな仕掛けは巧妙さをましている。そう思えてならない。

という。教科横断的な内容を教科横断的に学べる総合的な学習の時間などに位置づけることに何の問題があるのだろうか。そこで行われている内容に問題があれば個別に具体的な例を挙げて批判したらいい。児童生徒の自主性を前面に出して逃げるというのであれば,教師不在の教育でいいのかなどと批判できるのではないか。
 政権交代日教組が鼻息を荒くしている姿は滑稽なのだけど,それに劣らず,今回取り上げた記事も滑稽だ。どちらも教育を前進させるものではない。