「信頼できない比較」を期待する人たち

学力テスト、我が街も受けたい 「自主参加」の希望続々

 この記事で耳塚寛明氏が

「記述式問題は採点で迷うことが多く、学校の先生に任せると相当な負担増になる。採点基準を明確にし、統一性をとらないと信頼できる比較はできない」

と指摘している。全国学力テストに参加したいと考える自治体は多いのだろう。けれど,参加したいと考えている自治体は全国学力テストに何を期待しているのだろうか。もし,全国学力テストに参加することで「多との比較」を期待しているのだとしたら,耳塚氏の指摘によれば「信頼できない比較」を期待していることになる。全国学力テストの意義として「他との比較」を前面に押し出せば,「信頼できない比較」はその意義を否定することになる。
 自主参加したいと考えている自治体は,なぜ自分たちで独自に学力テストを行うことは考えないのだろうか。自分たちの身の丈に 合った,自分たちの把握したいことが把握できるものを独自にやろうとはなぜ考えないのだろうか。「信頼できない比較」より,自分たちで独自に行う方がメリットがあるように思うのだけど。