なぜ彼らは参加しなければならなかったのか

国学力テスト:「個別指導や授業改善に」 犬山市が独自検証の中間報告 /愛知

 犬山市は今年度初めて全国学力テストに参加した。犬山市教委は自分たちで採点をし,課題をそこから見つけ出そうとしている。ここで疑問に思うことがある。なぜ彼らは全国学力テストに参加しなければならなかったのかということ。全国学力テストに参加していなくても同じことはできる。それなのになぜ全国学力テストに参加するのか。
 もしも,全国学力テストに参加したことで今回のことができたと誇るのだとしたら,それは大きな勘違いをしている。犬山市教委に限らず,各教委はこれまで独自に評価の仕組みを構築しようとし,試行錯誤してきた。しかし,それが今,十分に生かされているとは言えない。
 これまでの成果を蔵に仕舞い込んで,全国学力テストというイベントに参加し,使い古した言葉の並ぶ分析結果,使い古した対策を講じ。競争せよ,競争しなければ良くならないというかけ声に踊らされ。毎年毎年イベントを繰り返している。全国学力テストというイベントを繰り返すことで何となく何かをやった気持ちになり,満足しようとしている。
 全国学力テストは,各自治体のこれまでの取り組みをどれくらい生かせるのか。これまでの成果を生かそうとする教委がどれほどあるのか。そうしたことを多くの教委は棚上げにしている。もし,犬山市教委も同様に棚上げにしたまま参加を続けるなら参加を取りやめた方が良い。
 彼らはなぜ参加しなければならなかったのか。全国学力テストは,独自性やこれまでの成果を犠牲にしてまで参加するべきものではない。犬山市教委は自分たちでできることをもう一度考え,それに力を入れてほしい。