禁止や規制の前に

政府の教育再生懇「小中学生に携帯持たせるな」報告盛り込みへ

 規制や禁止をいう大人より,物わかりの良い大人より,きちんと子どもと話せる大人がいいと思う。
 子どもに携帯電話を持たせるときに,それを持つことで,どういうメリットやデメリットがあるのか,どこまでは自由にできるのか。どこから大人が関与するのか。そういうことをまず子どもと話をしてみたらいい。
 そういうプロセスを経なかったり,軽視しておいて,問題が起こると禁止や規制をしようということが前面に出てくる。禁止や規制の前に,子どもときちんと話をするプロセスをもっと大事にしたり,重視すべき。
 こういうことを書いていると,安易に携帯電話を持たせることに賛成なんだと誤解されそうだけど,それは違う。必要がないのに持たせる必要はない。持たせるかどうか,持つかどうかはそれぞれに話をして納得できる形で決めていけばいいと思う。
 こういうことに一律の規制や禁止を持ち込むのは,管理したり監視したりする側にとって必要だから。校則で細かい規定を設けることで,対話するといったプロセスが抜け落ちたり,軽視されて,互いに不信感を募らせたりしたのと同じ。
 子どもが携帯電話を持つことで,コミュニケーションがうまくできなくなっているというけれど,大人も禁止や規制することで,コミュニケーションがうまくできなくなっているじゃないかと思う。