全国学力テストの問題

国学力テスト 「違法の疑いも」 日弁連が意見書

 全国学力テストは競争を必要としない。そこに競争を持ち込むことは全国学力テストの意義を損なう。また,全国学力テストでは競争が必要ないものであることを文部科学省は明言し,明確にすべき。そうしたことを曖昧にしておくべきではない。
 「解答の改ざんや、障害児を受験させないなどの権利侵害」については実施前から指摘されてきたことであり,諸外国やOECDの調査ではそうした問題への対策が講じられている。文部科学省はそうした問題への対策を十分に議論したり,講じることなく,4月に全国学力テストの2回目の実施を予定している。問題を放置したままただ回数を重ねていくことは間違いである。
 そもそも,各自治体等で学力テストは実施されていたのであり,それを文部科学省が支援,助言しながら運営していくことはできた。教育政策の評価が必要であるならば,そのための指標の開発をきちんとおこなうこと。その上で,適切な規模で政策評価を行えばいい。それも実施前から指摘されていたにも関わらず,悉皆調査にこだわり,学力テストの信頼性の追求や妥当性の追求をしなかった。
 単に違法性があるというだけでなく,そうしたことも日弁連はきちんと指摘すべき。