今年を振り返ってみる

教育不安社会を打破するために

 今年の目標として

容易でないとしてもそれを克服するための戦略をたて、教育不安社会を打破するための武器を持つ必要がある。今年の一つの目標としてそれを掲げたい。

というのを書いていた。未だそれは達成できていない。というより,そもそもそういうことができるような能力もないのに無理な話であったというのが本当のところ。
 今年一年間を振り返って考えていることを少し書いておきたい。
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のなかで佐藤学氏が,「学力をめぐるポリティクスの研究の必要性」を主張している。
 全国学力テストやPISAなどの結果が公表されるたびに感じたのは,そこにある「ポリティクス」への関心の薄さだ。教科書検定についてもそうだ。そこにある「ポリティクス」を隠蔽するために見当違いな批判が行われていたように思う。
 「教育不安社会」の到来は,教育をめぐる「ポリティクス」の問題とつながっている。教育の崩壊という主張や教育改革が必要であるという主張が,その実証性や妥当性が軽視されたまま主張されるのは「ポリティクス」がそう働いているからだと考えることができる。
 教育の問題を考えるときに「ポリティクス」という視点から見ると,「ポリティクス」を隠蔽しようとする動きや,それをうまく利用しようとする動きが露わになってくる。それは「教育不安社会」の姿を明確に捉えることにもなる。
 「ポリティクス」への注目や解明は「教育不安社会」を打破するための武器として有効なもの。それをどう使いこなしていくか。それが来年の目標になるように思う。