学力テストはなぜやるのか

学力テスト:平均正答率7割 都教育庁「おおむね良好」??1月実施 /東京

 一方、都教委は今年度行う学力テストで、基礎学力の定着状況の把握を目的に、一部の小学校4年生(国語、算数)と中学校1年生(国語、数学)にも試験を受けさせることを決めた。学習面のつまずきを早期に確認する材料にしたい考え。

 都教委は都教委の実施する学力テストを「学習面のつまずきを早期に確認する材料にしたい」という。では、都教委が実施するテストでなければそれはできないのだろうか。そんなことはない。教師が作成し、実施するテストでも十分その役割は果たせる。
 全国学力テストも各教委のテストにしても、その目的よりも実施主体が誰であるかが優先される。学力テストは子どもの状況を把握し、その後に活かすために行う。そうであるならば、教師がやるテストで十分。
 都教委が実施するテストは、子どもの学力を調査することで、教育政策が十分であるかどうかとか、そういうことを把握し、改善するために行われる。全国学力テストも同じだ。
 それがいつのまにか、教委の実施するテストが教師の実施するテストと同様の目的で実施されるようになっている。全国学力テストも同様の目的で行うのだという。
 なぜそういうことになるのだろうか。子どもの状況を把握し、それに対して何らかの対策を講じるなら、まず必要なことは、「現場で必要なときに必要な方法で評価を行い、対策を講じる」ことができるようにすることではないか。そういうことをしないで、同様な目的でいくつも学力テストを実施し、同じような対策を打ち出している。
 学力テストは実施主体によってその目的も意味も異なる。それぞれに必要な規模があり、適切な方法がある。何もかも同じようなものと考えるべきではない。
 学力テストをなぜ行うのか。学力テスト本来の目的や意味を再確認すべきだ。