いつまでたっても変わらない

小学生、漢字の「書き方」苦手・テレビ視聴が影響か

 小学生で習う漢字は「読み方」よりも「書き方」を間違えやすいことが7日、日本教育技術学会(向山洋一会長)の調査で分かった。読み方の平均正答率は小学 1―6年生(調査時点では小2―中学1年生)まですべて9割以上だったのに対し、書き方は小学4年生分以降、7割以下に低下した。テレビを見る時間が短い子どもの方が正答率が高かった。

 何度も繰り返し書いているけど、生活習慣と学力との間には相関関係があるといえばあるが、そこばかりに注目するのは間違いだ。間違いなく、全国学力テストの結果分析でも生活習慣との関係が指摘されるだろう。
 http://www.asahi.com/national/update/0507/TKY200705070281.htmlhttp://www.sankei.co.jp/kyouiku/gakko/070507/gkk070507000.htmでは、

 同学会は、漢字学習を行った時間についてもクラスごとに尋ねた。その結果、約4割が「(授業ではなく)ほとんど宿題で」と回答。「書き」の平均得点との関係をみたところ、高学年ほど授業で勉強したクラスの平均点が高いとの傾向が出た。授業中にクラス全員で筆順を声に出しながら机や空中に指で字を書く「指書き」を行うと高得点になる傾向も見られたという。

というような、日常の指導による正答率の差について指摘されている。
 教師は、どのような指導が行われたか。それによってどのような差が出るのかということを知りたいと思うだろう。全国学力テストでも、どのような指導が学力とどういう関係があるかを知りたいと思うだろう。
 しかし、今回の調査では調査対象になった部分もあるが、先日実施された全国学力テストでは、具体的にどのような指導がどのように影響を与えているのか知ることは難しい。その理由は、全国学力テストの質問紙調査の調査項目を見れば明らかだが、そういうものを調査対象としていないからだ。
 学力テストや今回のような調査で、生活習慣との関係ばかり注目され、教師の指導についてほとんど関心が向けられなかったり、調査対象とならないとしたら、教師の指導はそれほど変わらないし、どう変えていけばいいか教師は判断しにくい。だから、課題がほとんど解決されないままで残り、何度も同じような課題が指摘されることになる。

追記

 このエントリーを書いた後に、そういえばと思い出したのが、http://www.nhk.or.jp/wakuwaku/jugyo/061203.htmlにある、道村静江教諭の実践。
 この放送を見たとき、漢字を学ぶことでこそもたちの世界が広がっていく様子を見て。いいなと思った。漢字を学ぶことで子どもの世界が広がるというのは、子どもにとって面白いと思うし、漢字を学ぶ意義として重要なことじゃないかなと思う。
 「日本の現場」(http://www.nhk.or.jp/nippon-genba/)という番組で、道村教諭の実践が取り上げられます。ぜひ見ていただけたらと思います。放送日時は、5月10日(木)午後11時00分〜と再放送が5月16日(水)午前2時15分〜です。