全国学力テストは名称変更したほうが誤解が減る

 全国学力テストは「教育政策アセスメント調査」とでも名称変更したほうが良い。
 PISA調査などは、国際的な比較を行うことで政策立案者に必要な指標を提供することが目的だ。それは、国際的に比較することで自分たちの教育政策の問題点を明らかにすること。比較によって改革の余地がまだ残されている。まだ改善が可能であることを示すために行われた。『[asin:432406749X:title]』『[asin:432406749X:title]』『[asin:4324074070:title]』にもきちんとその目的は示されている。
 しかし、日本だけではないがPISA調査と一般的にイメージされる学力テストとが混同され、それが報道され、PISAの本来の目的とは異なる方向で順位などの一部の結果だけが利用され、議論されるようになった。それは、名称の問題だけではないが、「国際的な学力テスト」というような名称で表現されたことも影響している。
 PISA調査も政策評価の一つだ。それは、全国学力テストも同じ。政策立案者にとって必要な指標を開発し、データを収集することが目的だ。だから、「教育政策アセスメント調査」と表現したほうがより目的がはっきりと伝わる。
 全国学力テストという名称や、それが登場してきた経緯などから、一般的にイメージされる学力テストなどと混同されている。文部科学省政策評価のために行うという点はほとんど広報せずに、子どもの学力向上のためというような点ばかり強調している。それがさらに誤解を招いている。
 誤解を招かないためにも「教育政策アセスメント調査」というような名称へ変更し、目的をきちんと広報すべきだ。そして、その調査の結果、まず改善を迫られるのは政策立案者であることをきちんと自覚すべきだ。