課題は山積みなのに

都道府県立高校:授業料減免者1割に 家庭の困窮鮮明

 全国の都道府県立高校で、授業料の免除や減額を受ける生徒が05年度で23万人を超え、10人に1人近くに上ったことが、都道府県教委と文部科学省の調べで分かった。減免者の割合は、最も高い大阪府と最も低い静岡県では12倍もの差があり、財政難から制度を見直す自治体も出ている。家庭の困窮と地域格差の実態が浮き彫りになった。

 道徳の教科化とか「美しい国」プロジェクトなどという前にやらなきゃいけない課題は山積みになっている。そういう課題に具体的に手をつけることもなく、教育の崩壊だ、教育は問題が山積しているなどとワーワー騒いでいる。つまらないことにつぎ込む時間や労力、予算があるなら、本当に必要なところにそれを回せばいい。その方が子どもたちのためになる。
 政府や与党は、本当に取り組まなきゃいけない課題、具体的に問題解決に取り組まなければいけないものには手をつけていない。それなのに、教育の分野で成果を挙げているなどと宣伝している。そして、都合の悪いことは組合が悪いんだなどと言い、責任逃れに終始している。
 よく見てもらいたい。安倍内閣発足後に、安倍内閣がやったことが何かを。自分たちの身近にある本当に解決してほしい、解決すべきと考えている問題にどれほど取り組んだかを。
 こういうパンフレットを作るより先に取り組むべきことはいくらでもあるだろう。自分たちの無為無策を他人のせいにして責任逃れをしているような場合か。
 今取り組むべき教育の問題は、教科書がどうとか、教員がどうとかいう問題ではない。そういう政治ごっこの影に隠れている、学校に行きたくても行けないような子どもたち、学校へ行ってもメインストリームになかなか戻れないような子どもたちの問題ではないか。
 教育改革ごっこの好きな政治家の口から出てこないような問題、威勢良く教育の正常化だなどと叫ぶ人の口から出てこない問題。実はそこに多くの解決すべき問題がある。そこにきちんと目を向けていくべきだ。