これもまた「美しい国」づくり井戸端会議

井上八千代さんら委員に 政府の「美しい国づくり」企画会議

 政府は2日、安倍晋三首相が掲げる「美しい国づくり」に向けたプロジェクトを検討する企画会議の発足と有識者メンバーを正式に発表した。日本画家の平山郁夫さんらに加え、京都から京舞井上流五世家元の井上八千代さん、京都大大学院の中西輝政教授らが選ばれた。
 塩崎恭久官房長官は2日の会見で人選について「各分野の第一線で活躍され、さまざまな価値観をもつ方に集まっていただいた」と説明。「地域や足元から日本ならではの美しさを見つめ直し、日本の未来に向けて新たな可能性を国民参加の形で議論していきたい」と述べた。

 彼らにとって美しい国とはなんだろう。美しい国というのは一体何を意味する言葉なのだろうか。
 教育再生会議にしても、この企画会議にしても、自分たちにとって気持ちのいいことを言ってくれるような人を集めて、都合のいいことを言ってもらいたいだけではないか。
 官房長官は、「各分野の第一線で活躍され、さまざまな価値観をもつ方に集まっていただいた」などと述べたようだが、ここで選ばれなかった人の価値観はどうなるのか。
 文化だとか、価値観だとか、そういうものは放っておいてほしいと思う。国が文化とか価値観に口を出すようなこのような会議に、委員として参加する人たち、特にいわゆる「文化人」の委員は文化とか価値観についてどう考えているのか。こういう会議で「美しい国」とはこういうものだなどと議論する文化人の姿は、実に滑稽な姿だと思う。