『教育』4月号(2007年)を読んだ

 教育科学研究会編『教育』2007年4月号を読んだ。http://d.hatena.ne.jp/kaikai00/20070206/1170689765で、annntonioさんが予告されていたのもあったので読んだ。(あっ、こっそりと言われていたのにここで書いていいのかな。問題があれば削除します。)

目次

■特集・安倍内閣の教育政策を検討する
教育基本法の全面的「改正」と私たちの課題…三上昭彦
<インタビュー>安倍内閣の教育政策をどう見る…斎藤貴男
教育基本法新自由主義教育改革の展開…高橋哲
−学校選択、バウチャー、教育進行基本計画−
学校・教員評価と学力調査の統制的な側面…小野方資
必修科目の未履修問題…工藤毅
教育再生会議のいじめ対策の検討…伊東毅
格差問題と「教育の機会均等」…渡部昭男

<小特集・イギリスの教育改革をどうみるか>
1 イギリス教育改革における家族とコミュニティ…勝野正章
2 イギリス教育改革と親の学校選択…ボンソップ・チョイ
3 イギリス型学校評価の実像…沖清豪
  −OFSTED型システムは日本に導入可能か?−
4 イギリスの地域社会と学校…細金恒男
  −「シャロン校長の学校改革」(NHKドキュメント)を手がかりに−
5 文献紹介…本田伊克・久冨善之

<座談会>今日の学校と養護教諭−その存在と役割(下)…宍戸洲美・舟見久子・中坊伸子・矢島登・秀島聡子・神原昭彦・(司会)藤田和也
<投稿>韓国社会における過剰受験競争の政治・経済的脈絡(4)…キムユンヒ

<地域からの発信3 兵庫>
教育基本法改悪阻止運動が生んだもの…石本日和子
<私の誌面批評>
特集「ケアと教育を結びつける−養護教諭の仕事から」を読む…澤山信一
<子どもの目>
だれが教師を教師にしてくれるのか…佐伯洋
<子どもと本>
三浦しをん著『風が強く吹いている』石井郁子
<映画>『リトル・ミス・サンシャイン』…佐藤博

 小野方資「学校・教員評価と学力調査の統制的な側面」のなかで、

 四月に実施される全国学力調査の実施根拠法令は、いまだ明示されておらず、参加は任意である。

ということを論文の最後のほうで指摘されている。実は、そのことはあまり知られていないが重要な問題だ。この論文では、学校評価・教員評価・学力調査が教育の統制へとつながるという重要な指摘をされている。確かにそれも重要なことであり、大変参考になった。
 しかし、あえて申し上げるなら学力調査の根拠法が示されないまま実施されることの問題を詳しく論じていただきたかった。この問題については、http://d.hatena.ne.jp/annntonio/20070210/1171118923で少し触れておられるのだけど、ブログのほうでぜひ根拠法が示されないことの問題点を整理してもらえたらと思う。
 『教育』4月号にはイギリスの教育に関する論文もいくつかある。ぜひ、多くの人に目を通してもらえたらと思います。