毎回同じ

4県統一学力テスト:「中学数学」3年連続最下位に 県教委「応用力が不足」 /岩手

岩手、宮城、和歌山、福岡の県の児童、生徒を対象にした「06年度4県統一学力テスト」の結果が8日、発表された。岩手県は、中学校の数学が3年連続最下位だった。自ら考える力を身につけていないことが一因とみられる。県教育委員会は、教師が難しい応用問題を避け、簡単な計算の反復練習に偏った指導をする傾向があることに原因があるとみて、今後の対策を検討する。

 このような記事には毎回同じようなことが書いてある。毎回同じことが課題として挙げられ、毎回同じような対策が提言されていることだ。
 なぜ、そういうことになるのか。その要因がこの記事からよく見える。記事には、

 県教育委員会は、教師が難しい応用問題を避け、簡単な計算の反復練習に偏った指導をする傾向があることに原因があるとみて、今後の対策を検討する。

という見解と、

県教委は「小学校段階で基礎を身につけないと、中学の応用問題を解く力がつかないのではないか」と分析する。

という矛盾した見解が並んでいる。
 「反復練習」はよく「基礎学力をつけるため」として導入されている。漢字ドリルや計算ドリルが学力低下が叫ばれ始めた頃、大流行したのはそういう捉え方があるからだ。おそらく、県教委もそういう提言なりアドバイスなりを行ってきたはずだ。
 だから、反復練習に偏っているという見解と基礎を身に着けなければいけないという見解が、県教委から同時に出てくるのは矛盾している。
 こうした矛盾が、岩手だけでなく様々なところで起きている。だから、どこの地域でも冒頭に書いたような状況になっている。
 全国学力テストでも間違いなく同じような課題が指摘されるはずだ。そして、基礎学力の不足とされ、基礎学力を身につけさせることが学校の使命だと言われるだろう。そして、学校は、おそらく反復練習に邁進するだろう。また、次回同じことが課題として指摘される。
 おそらく、この悪循環に陥るだろう。そして、安易な「ゆとり教育批判」によって学校の選べるメニューは大きく制限され、いつまでも悪循環から抜け出せない状況になるだろう。