抵抗勢力で何が悪い

抵抗勢力”北海道教組を国会で取り上げへ 自民チーム

 自民党北海道教職員組合問題プロジェクトチーム(座長・宮路和明衆院議員)は6日、北教組が道教育委員会が実施したいじめアンケートへ協力を拒否した問題について、道教委から経緯や対応を聞き取り調査した。宮路座長は調査の冒頭「教育再生に取り組んでいく上で“抵抗勢力”は排除しなければならない」と述べ、北教組の対応を批判した。

 自分たちの進める教育改革に抵抗するのは抵抗勢力であり、それを排除しなければならないという。なんと馬鹿げた傲慢な発想なのだろうか。
 以前、http://d.hatena.ne.jp/kaikai00/20070216/1171554834で書いたことと同じことの繰り返しになるが、北教組の対応は必ずしも良いものだとは思わない。
 しかし、いじめの調査にしても全国学力テストにしても、教員や教育委員会などが、その実施に対して反対であるという意見を表明し、批判することは間違った事ではない。
 日教組などを抵抗勢力に仕立て上げ、自分たちはその抵抗勢力と戦う正義の味方を気取り、子どもや親の味方を気取る。これは「教育ポピュリスト」のよくやることだ。
 そういう教育ポピュリストの目的は、自分たちのやっていることに覆いをし、気づかれないように自分たちにとって都合のいい状況を作り出すことだ。その目的を達成するために様々なものをスケープゴートにしてみせる。
 藤田英典氏が、衆議院教育基本法特別委員会(2006年11月9日)で次のように述べている。

 改革のための改革の方が、批判のための批判、反対のための批判よりはるかに危険です。もちろん、対立的に、暴力的に反対するなんということは論外でありますし、そういうことは許されるべきではありませんが、反対しても実害はありません。しかし、改革は結果が伴いますから、改悪であれば必ず実害が伴います。

 今進められている教育改革は「改悪」であり、それに対して教員や教育委員会が批判、反対をするのは当然の行為だ。それを、政治家が抵抗勢力は排除しなければならないと言うのは間違っている。
 教員や教育委員会は、もっと批判や反対の声を上げていい。そして、教員や教育委員会は、「直接」子どもや親、地域の人たちと向かい合い、信頼関係を構築、あるいは強固にしていけば良い。そういうことを地道にやっていく。それが教育をいい方向に向かわせることになる。