犬山市教委の決断

国学力テスト:改めて不参加議決 市長要請に批判も〓〓愛知・犬山市教委

 愛知県犬山市で、4月24日に行われる全国学力テスト(全国学力・学習状況調査)への対応をめぐり、不参加を打ち出した市教委と、参加を求める田中志典市長との対立が深まっている。20日に開かれた定例の市教委には、田中市長が昨年12月の当選後初めて出席し、「市教委の独自性は認めるが、善処をお願いする」と要請したが、市教委は改めて「不参加」を議決した。

 この記事の中で、犬山市長が、

 田中市長は冒頭、市民からの投書をもとに「専門家の中にはテストの中身を評価する意見がある。市教委は中身を議論したのか」と指摘した。

 田中市長は「市教委は(学力テストを推進する)文部科学省が上意下達というが、市教委もその方針を保護者に押し付けている」と発言し、席を立った。

というような言動をとったとある。
 市長は、これまでの犬山市の取り組みを全く理解していない。学力テストの中身を犬山市教委は検討したから、参加しないことを決めたのであって、中身を議論せずに、国のやることだから、みんなやるからという理由で、参加を決めた他地域の教委こそそう批判されるべき。
 また、市教委が保護者に考えを押し付けているというが、全国学力テストはなぜ押し付けにならないのか。犬山市長はそれをきちんと説明すべきだ。
 全国学力テストは、任意参加だ。だから、参加を強制される必要はない。また、悉皆でないからといって全国学力テストの意義が損なわれることはない。
 全国学力テストなどへの参加が、当然視されることにとても違和感を感じる。国のやることに、地方は何の疑問もなく付き従う。そういうことだから、国が責任を持たなければいけないなどと、おせっかいなことを国が言い始める。国は、お前らがちゃんとしないから、俺たちがやってやろうという傲慢な態度をとり続ける。
 地方は、もう少し自立すべきだ。学力低下の問題になぜ国がこれほどまで関わってこなければいけないのか。学力低下の問題は、地方で対応できる問題ではないか。地方が、やれることを十分にやらないまま、国に頼りきる。地方の教育委員会は自分たちの責任を放棄している。
 全国学力テストへの不参加を、学力問題に本気で取り組まない姿勢の表れだ。などという批判があるなら、それは間違いだ。
 何度も繰り返し書いているが、犬山市教委の判断は間違っていない。犬山市教委は、そのことを丁寧に粘り強く説明していけばいい。教育ポピュリズムの波に飲み込まれないでがんばってほしい。