教育再生会議によってコピペ化する教育改革

教育再生会議>高校で社会奉仕活動を必修化、明記の方針

 学校での社会奉仕活動については、森内閣の教育改革国民会議が00年、小中高校で共同生活をしながら行うことなどを提唱した。しかし「憲法が禁じる苦役につながる」との指摘や受け入れ態勢の問題があり、実施は見送られてきた。
 ところが、安倍首相は昨年の総裁選で「公の概念が大切」と大学入学の条件にボランティア体験を義務付ける考えを示し、著書「美しい国へ」で「最初は強制でも、若者に機会を与えることに意味がある」と主張。
 これをきっかけに社会奉仕活動の導入論が再浮上し、再生会議でも「奉仕の義務化が必要」(池田守男座長代理)などの意見が出て、報告に明記する方向となった。
 ただし、具体的に何をするのかは「高校や地域の清掃、校内のトイレ掃除」といった程度の議論しかされていない。既に東京都は07年からの必修化を決めている。

 「高校や地域の清掃、校内のトイレ掃除」程度なら、すでに多くの学校で取り組んでいる。いまさら義務化する必要はない。http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/wadai/archive/news/2007/01/20070112ddlk13040393000c.html都立高校がどんなことをやるのかというのが書いてあるが、奉仕活動を義務化しなくても、様々な機会を利用して、これまでもやってきたようなものばかり。義務化する必然性などない。
 教育再生会議は、中教審や教育改革国民会議などの劣化コピーに過ぎないし、アメリカやイギリスの教育改革の劣化コピーに過ぎない。『論座』2月号に「コピペ化される教養」というのがあるが、教育再生会議の場合は、「コピペ化する教育改革」だ。