日教組が教育基本法を批判したのは矛盾しない

 ここで、その昔、日教組教育基本法を批判していたということが指摘されている。でもこれは、おかしいことではない。
 それは、
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の第9章 戦後教育と「民族」――教育学者・日教組で小熊氏が指摘していることを読むとよく分かる。
 矢川徳光氏などが教育基本法に対して行った批判にそれはよく現れているのだけど、「民族主義」という点で当時の左派も右派も共通したものがあった。そういう立場からすると、「無国籍」と言われる現行教育基本法は批判の対象となる。
 そして、これを書きながら考えたことは、「戦後教育」のなかで教育基本法が果たした役割とは何か。そして、教育基本法の役割はどう変化してきたのか。教育基本法を取り巻く状況がどう変化したのか。そういう状況の変化の中で教育基本法をもう一度捉え直すことは可能なのかそうでないのか。
 そういうことが、きちんと議論されないまま置き去りにされている。先日、戦後教育の歴史と向き合うというようなことを書いたけど、こういうことを考えていたのであのエントリーを書いた。