一部改築で済む話ではない

履修不足センター試験で6教科義務化検討 文科相が考え

 伊吹文明文部科学相は8日、高校の履修単位不足問題に関連し、全ての国公立大と私大の8割が利用する大学入試センター試験について「高校の必修科目すべてで一定以上の点数があるかどうか確認するために使うべきだ」と述べ、6教科(国語、地理歴史、公民、数学、理科、外国語)すべての受験義務化を検討する考えを示した。衆院文部科学委員会で、自民党馳浩国対副委員長の質問に答えた。

 センター試験で必修科目の義務化をやっても問題は解決しない。今回の未履修の問題は、大学の入試制度、高校の教育課程、小・中の教育など多岐にわたる問題だからだ。これまでの教育改革は、マクロな視点もミクロな視点もなく、対処療法的に一部だけに手を入れて制度を変えてきた。そういう改革の歪みが今出てきている。
 こういう問題こそ、きちんと議論する場をつくって教育制度を一体的に見直すべきだ。こういう問題は、教育再生会議で議論できるものではないし、中教審でもできない。本当に議論のできるメンバーを選んで集中審議をすべきだ。