これって本当に小中一貫で解決できること?

宇都宮市教委:小中一貫導入を提案 いじめ、不登校対策で /栃木

 宇都宮市の小中学校をめぐる問題を議論する「第1回学校教育制度に関する懇談会」が5日開かれ、同市教委は小中一貫教育導入の検討を初めて提案した。いじめや不登校件数が、中学校への進学時に激増することを検討理由としている。

 小中一貫校が各地で検討されたり、新設されたりしている。でも、多くの場合デメリットが過小評価されている。
 今回、宇都宮市の懇談会は「いじめや不登校件数が、中学校への進学時に激増する」ことを検討理由に挙げたようだ。しかし、小学校の早い段階でいじめに遭ってしまったり、不登校になってしまった場合、一貫校になることによってこれまで以上に長期化し固定化してしまう危険性がある。そのことを考えずに、中学進学時に起こる問題だけに目を向けて一貫校を検討するのは間違っている。
 小中一貫校は最近、一種の流行のようになっている。小中一貫校を検討すると言うだけで教育改革に熱心に取り組んでいると考えられるようになっている。うちもよそのように一貫校をつくらないといけないと強迫観念にとらわれている。そして、デメリットにきちんと目を向けず、あれこれと理由をつけて導入してしまう。流行に流されずに、もう少し慎重に議論することが必要だ。