偏差値主義

就活も偏差値頼み? 人材会社が新事業 内定判定、ネットで模試

フリーターやニートの急増など若者の職業に対する意識が社会問題となるなか、東京都内の人材コンサルタント会社が就職試験に臨む大学生を対象に、内定が得られる可能性を「就職偏差値」として提示するオンライン上の模擬試験を始めた。何事もランク付けを好む若者気質に目をつけた新ビジネスで、会社側は「勝算はある」と自信満々だが、かつて受験界を席巻、弊害が指摘された偏差値が、就職戦線でどこまで浸透するか。

 偏差値に頼ることに慣れると、何もかも偏差値で測れると思い込む。偏差値は客観的だと思い込む。最初はただの目安だと考えていても、そのうち何もかも偏差値を基準に考え、行動するようになる。
 自分で考え行動するというものではなく、外にあるものに決定してもらい、それに基づいて行動する。それは、自分に自信が無く不安な気持ちの表れでもあり、自分で選択しないことで、結果に対して自己責任を回避し、他に転嫁しようということがあるのではないか。
 それだけではなく、企業の採用基準について、学生がとても曖昧なものを感じているのも要因ではないか。曖昧に見える企業の採用基準を「偏差値」という形で明確にしたいということ。
 いずれにしても、こういうものには違和感がある。こういうのは、へーそうなんだ。と流しても良いのかもしれないが、結構重要な問題のような気もする。