結論ありきで議論するバカな人たち

「9月入学」審議先送り 再生会議 学力向上など優先

 安倍晋三首相が新設する「教育再生会議」が、学力向上や教員の資質向上を優先して審議し、来年3月の中間報告に盛り込むことが5日分かった。安倍首相が掲げてきた「教育バウチャー制度」や「大学の9月入学と入学前のボランティア活動義務化」などは12月の最終報告に向けて議論する。
 政府は当初、3月までに結論を出す方針だったが、3月の中間報告と12月の最終報告の2段階で取りまとめることになった。
 まず「現行の公教育の充実」を審議。(1)文部科学省が実施する全国学力テストの徹底(2)その結果などを元に学力水準や指導状況を国が評価する学校評価制度の導入(3)教員免許の更新制導入(4)実効性のある教員研修の実施(5)能力や実績に見合った教員給与体系の導入−などを検討する。
 生徒が学校を選択し自治体が配布する利用券を授業料として納める「教育バウチャー制度」や、大学の9月入学と入学前のボランティア活動の義務化といった文科省との調整が必要な課題は4月以降に本格審議する。

 これを見れば、出てくる結論から答申が出されるスケジュールまでもう既に決定していることがよく分かる。後は、結論に「権威」と「正当性」「正統性」を持たせられるような委員を任命するだけ。これから発表される委員が安倍内閣の方針とは異なる提言をまとめる可能性はない。よって、シナリオ通りに話は進んでいく。こんなものは時間と費用の無駄だ。やるなら私的に・私費でやればいい。
 また、教育再生会議なるものの位置付けも微妙なものがある。http://www.sankei.co.jp/databox/kyoiku/200610/061002d.htmlのなかで鳥居中教審会長は、

安倍政権が新設する首相直属の「教育再生会議」について「教育についての国民運動は結構なことではないか。中教審の仕事と(教育再生会議の)国民的な旗振りの棲み分けはあり得ることだ」と述べ、歓迎する姿勢を示した。

と述べている。鳥居氏は「教育再生会議」を「教育についての国民運動」と位置付けている。これは、教育再生会議は何らかの決定を行うものではなく、中教審が最終的には決めるのだという考えの表れではないか。そうでなければ、教育についての国民運動というような位置付けはしないだろう。
 また、http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/wadai/news/20061006ddm005010104000c.htmlでは、公明党

「首相の諮問会議的な組織だけで改革を進めるのは良くない」

と主張しているようだ。それなら、教育再生会議を設置させなければいいじゃないか。
 先日、教育再生井戸端会議と言ったが、どうも井戸端会議よりも程度が低いようだ。何か他にふさわしい名称を考えなきゃいけない。
 あと、

事務局長として「ヤンキー先生」として知られる義家弘介横浜市教育委員の名前が挙がっているが、イラク問題や国旗・国歌問題での過去の言動が政府見解とかけ離れているため再検討が行われている。

ということらしい。義家氏の考え方なんて最初から分かっていただろうに。人気だけで人選しようとするからこうなる。でも、仕方ないかな。総理大臣も「国民的人気」で選ばれる時代なんだから。