イギリスの教育改革について

http://d.hatena.ne.jp/opemu/20060907/1157550587

 サッチャーの教育改革を安倍氏が称賛している。しかし、opemuさんのブログで指摘されているように、サッチャーの教育改革は、安倍氏やその周辺の方たちが称賛するほど成功はしていない。
 以前、http://blog.livedoor.jp/kaikai00/archives/50097180.htmlで紹介した、新井浅浩氏の論文や、以下の書籍を読んでいただければイギリスの教育改革(特に、サッチャー政権からブレア政権まで)がどのように進展してきたか的確に判断していただけると思う。
ISBN:4874982875:detail
ISBN:492114673X:detail

現代イギリスの教育行政改革

現代イギリスの教育行政改革

教育改革の社会学―市場、公教育、シティズンシップ

教育改革の社会学―市場、公教育、シティズンシップ

学校文化の比較社会学―日本とイギリスの中等教育

学校文化の比較社会学―日本とイギリスの中等教育

ポスト福祉社会の教育―学校選択、生涯教育、階級・ジェンダー

ポスト福祉社会の教育―学校選択、生涯教育、階級・ジェンダー

 大田直子 「国家の教育責任の新たなる在り方 : イギリス「品質保証国家」の教育政策」教育学研究 第71巻第1号 日本教育学会 はCiNiiで検索してもらえば、登録しなくても見ることができます。
 以前、http://d.hatena.ne.jp/kaikai00/20060813/1155430017で指摘したように、安倍氏が見ているのは、教育というフィールドの中で行われた政治闘争の部分であり、その政治闘争を果敢に挑んでいったサッチャー氏の姿を見ているだけ。安倍氏はその部分だけを見て理想だと考えている。だから、安倍氏の教育改革論はイデオロギー的な面ばかりが強調されている。