楽観的な見方

学力とは何か:インタビュー(3の下) 木村孟・大学評価学位授与機構長

 木村氏は、今の子どもたちの学力はそう悲観するほどではないよという楽観的な見方をしている。少し楽観すぎるかなと思うけど。気になったのは次のところ

 フィンランドの学校外の勉強時間は1時間しかない。つまり、どのくらい集中するかなんです。学校で集中して学べば十分。早く寝て、早く起きて、ご飯をきちんと食べて、学校で学ぶ態勢を作っておけば、学力は上がります。生活習慣がついていないことが問題で、これは家庭の問題ですね。家庭の教育力が落ちているんです。

 「つまり、どのくらい集中するかなんです。学校で集中して学べば十分。早く寝て、早く起きて、ご飯をきちんと食べて、学校で学ぶ態勢を作っておけば、学力は上がります。」なんてのは、根拠も乏しく、あまりにも飛躍しすぎている。中教審のメンバーでありながら、この程度の認識しかないというのはどういうことなんだろう。
 また、「生活習慣がついていないことが問題で、これは家庭の問題ですね。家庭の教育力が落ちているんです。」っていうのも、単に家庭に責任を押しつけているだけ。「家庭の教育力が低下した」なんてことが最近特に言われるけれど、家庭をスケープゴートにして自分たちの責任を回避しているだけ。そういう話には賛同しない。
 結局、「学力が低下してこの国の将来は危ない」などと盛んに危機感を煽るのも問題だし、木村氏のように楽観的すぎるのも問題だということ。