自分で考え行動する力が不足しているようだ

国学力テスト 市区町村の84%が参加の意向

 文部科学省が来年4月に実施する全国学力テストについて、全市区町村長の84・2%が参加の意向を示し、うち半数(全体の42・8%)は結果の公表を予定していると回答したことが29日、共同通信社と加盟新聞社のアンケートで分かった。不参加の意向は3・9%に当たる71市町村で、無回答は12・0%の220市区町村だった。

 この記事の中で、

 参加する最大の理由は「児童生徒の学習到達度を把握し、指導改善に生かす」66・6%、「自分の自治体の水準を把握し、施策に反映させる」23・2%で全体の約90%を占めた。そのほかは「国が一律に実施するもので、参加が当然」6・1%、「各学校の競争意識を促し学力向上を図る」3・2%の順だった。

というように、全国学力テストに参加する理由が挙げられている。
 まず、「児童生徒の学習到達度を把握し、指導改善に生かす」という理由。こんなのが理由になるはずがない。「児童生徒の学習到達度を把握し、指導改善に生かす」ということは全国学力テストが導入されなくても当然行われていなければならないことで、全国学力テストでなければそういうことができないというものではない。また、「国が一律に実施するもので、参加が当然」などという馬鹿げた理由には呆れてしまう。国がやるといっても必要がないと考えるなら参加する必要はない。
 今、子どもに「自ら考え行動する力」が必要だなどと言われているが、多くの教育委員会にもそういう力をつけさせることが必要なようだ。

 愛知県犬山市の瀬見井久教育長の話 結果公表は(参加意向の自治体の)半数程度だが、実際にはもっと多くなるのではないか。(文部科学省のように)自治体に委任すると言えば聞こえはいいが、結果を公表せざるを得ない自治体の実情は国も十分承知しているはずだ。全国一律のテストは競争原理によって点数を上げることはできても、自ら学ぶ手だてにはなり得ない。文科省の施策は、犬山市が積み上げてきた教育観とは異なるので参加はしない。ただ、現場で独自に学力対策ができるにもかかわらず、これまで努力を怠ってきた自治体があるのも事実。調査自体を否定する気はない。

という教育長の話を読めば何が問題かよく分かる。