問題を顕在化させるということ

 毎日たくさんの問題が取りあげられ、報道されている。しかし、その一方で全く取りあげられないまま、多くの人に知られることもなく、深刻化していく問題もある。
 そういう顕在化していない問題を顕在化させるためには、そこに問題はないか。より良くするためにどうするべきか。というような視点が欠かせない。
 しかし、教育に目を向けると、「そこに問題はないか。より良くするためにどうするべきか。」という視点を持たせるための教育ではなく、現状を肯定し、それに自分を適応させる教育が行われているように思う。また、問題から子どもを遠ざけることで、問題から目を反らし、問題が存在することすら気が付かずに子どもが育っている。
 教育は子どもに多くの視点を持たせることが役割だ。しかし、安易に「正解」とされるものを提示し、それを「正解」であると何の疑いもなく信じさせるようなことが教育になっている。
 そういうなかで育った子どもたちが、自分たちの知らないところにある問題を見つけ、それを顕在化し、解決していくことができるだろうか。