子どものことを考えるなら

県学力テスト:在り方を検討 文科省の「全国」実施受け−−重なる時期、趣旨 /岡山

 文部科学省が来年度、小学6年と中学3年を対象に「全国学力テスト」を導入するのを受け、県教育庁は県独自の学力テストの在り方を検討している。趣旨や時期(4月)が全国テストと重なるため。「廃止し全国テストで代替」「時期をずらす」などを含め検討しており、「なるべく早い時期に結論を出したい」としている。

 子どものことを考えるなら、4月に学力テストなど実施しないだろう。だから、4月に実施しなければならない全国学力テストを実施しなければいい。今まで独自に学力テストを実施してきたし、趣旨も同じなら、今さら全国学力テストにしなければならない必然性はない。
 なぜか、国が実施する学力テストの方が良いのだという思いこみが強く、それに是非参加しなければならないという雰囲気がある。参加義務などないのに参加する義務があるかのように捉えられている。国の全国学力テストの制度設計にその道の権威が関わっているからといって良いものであるとは限らない。実施しない自治体に何らかのペナルティーを課す権限は文部科学省にはない。
 自分たちが必要だと感じてこれまで数回学力テストを実施してきたのであれば、それを改善しながら続けていけば良いではないか。自治体ごとの方が実施時期など融通も利く。また、自分たちのところに直接情報が集まり、施策にも活かしやすい。愛知県の犬山市が不参加を表明しているが、犬山市は独自で判断し、そういう結論に至っている。それを分権化というのではないか。
 子どものことを考えるなら結論は意外と簡単に出せる。国が実施するものであっても必要ないなら実施しない。学級づくりに支障があるなら実施しない。それくらい自分たちで判断できるはず。国はそういう判断に口出しする権限もないし、道理もない。