他にやるべきことがある

教員免許、現職も「更新」固まる

 このために必要な時間と労力、予算をもっと別の本当に必要なものに使った方が良いのではないか。更新制を導入しなくても一年間の計画に教員の資質向上のためのプログラムをあらかじめ組み込み、それをきちんと評価しその後の対応をきちんとやっていく。10年に一度何十時間かの講習を受けるよりその方が時間や労力、費用などもそうかからずに「その時々で求められる教員として必要な資質や能力を刷新(リニューアル)」することは可能ではないか。
 また、適格性などを厳密にしていくことは、人材難を招くだけであり、優秀な人材を確保することには必ずしもつながらない。人材が不足しても、専門的な教育を受けていない社会人を数ヶ月研修すれば教員にできるというような制度を作ればいいと考えているかもしれない。しかし、教員という職業は決してそういう簡単なものではない。
 教員免許の更新制を取り入れるには多くの点で制度の改革が必要となる。しかし、そういう改革をまだ行っていない。それが行われないまま制度だけを取り入れても機能しない。
 教員免許の更新制を取り入れなくても、教員の資質を向上させることはできる。この制度はどう見ても無理がある。この制度は数年で頓挫する可能性が高い。それよりも、他のやり方で着実な方法があるではないか。もう少しきちんと検討してもらいたい。