まずやるべきは

新教育の森:政治と触れ合う 模擬選挙、広がる動き

 松沢成文神奈川県知事は、

 投票率が下がり続け、身近な地方選挙でさえ、50%を切っている。候補者に魅力がない、政策論争がないなど政治の側にも原因があるが、有権者の政治への関心が薄れている。日本の学校教育は市民として社会の中でどう行動しなければならないのか、という考えが薄いからではないか。子どもたちに社会性や公共心をしっかり学んでもらえるプログラムが必要だ。その一つとして、実際の選挙を通して、選挙の重要性を学校で教えられないかと考えた。

と述べている。しかし、子どもたちに政治に参加するということがイコール選挙で票を投じることだと認識させるだけでは十分だとは言えない。
 子どもたちは学校で社会について様々なことを学んでいる。しかし、自分の生活する様々なところで政治とつながっていることには気がついていない。それは、そういうことを学ぶ機会が与えられていないからだ。
 例えば、総合的な学習で町のことを調べて首長などに提言しましょうという取り組みが行われる。しかし、提言書を渡すだけで満足している。
 せっかくそういう取り組みをするのであれば、住民の意見がどうやって反映されるのかその政治のプロセスを追っていく取り組みも同時にやって欲しい。
 社会科や総合的な学習などで様々なことを学んでいるが、それが政治とどう関係するのか、そういう視点からの学びはほとんど行われていない。そういう学びをまずはやるべきではないか。
 政治教育だからといって選挙の際の立候補者の主張に目を通しなさいとか、国会の審議を見なさいとかそういうことを言うのではなく、自分の周り、すぐ側にあるものを見なさいと言って欲しい。そこに政治問題はないか。その問題を解決するためにはどうすればいいか子どもに考えさせる。そういうことを積み上げていくことが必要ではないか。政治を様々な視点から見て学ぶ。そういう教育が必要なのではないか。