矛盾した取り組み

中学生学力向上へ 京都市教委
テスト+弱点克服で塾並み指導

京都市教委は本年度から、高校進学を控えた中学生の学力向上を目指し、学力テストと復習教材を組み合わせて生徒の家庭学習を支援する「学習確認プログラム」を導入する。テスト結果から生徒の弱点を見つけ、1人1人に応じた宿題プリントを配布する塾並みのサービスで、「塾に行かなくても希望の進路に見合う学力をつけさせる」としている。

 テストは子どもの学習状況を把握するために行われる。その結果を受けて対策を講じる。この記事で取りあげられていることは何ら新しいことはない。単にそれをシステム化しただけのこと。
 このようなことが記事となるということは、学校におけるテストが評価として機能していないことやテストを実施した後の取り組みが不十分であることを示している。
 各自治体はテストを実施しているし、学校ごとにテストは実施されている。しかし、それが「評価」であるという認識が欠如している。テストは単に子どもの学習状況を点数化するシステムではない。学習状況を「把握」するためのシステムだ。テストによって把握された実態に応じて対策を講じる。それはごく当然のことだ。
 テストの目的とその結果をどう活かすのか。京都市教委の取り組みはその一つの手段にすぎない。それを「塾に行かなくても希望の進路に見合う学力をつけさせる」ようにしましたとか、「塾並みのサービスを」などと胸を張って言うようなことではない。