曖昧な日本の教科書検定
記者ノート:不明確な検定意見
検定では文書で意見が通告される。大半は記述が不正確だったり、学習指導要領に沿わない、といった理由だが「理解しがたい表現」「誤解を与えるおそれがある」との不明確な意見もある。
意見を通告された後、出版社は調査官から口頭で、いわば文部科学省の真意を聞く。冒頭の場面で調査官は最後まで「この記述をこう変えろ」とは言わなかった。「この記述は再考した方がいいのでは」と遠回しに政府見解へ持って行くやり取りを複数の出版社から聞いた。文科省の掲げる「多種多様な教科書編集」方針と相反する気がするのだが。
他国から抗議された際に、「検定制度に基づいて適切に行われた」と反論するが、この記事にあるように、曖昧な基準によって修正させられるような制度が本当に「適切」なのだろうか。