ゆとり教育から脱却していないし転換もしていない

脱“ゆとり”で基礎基本重視 新学習指導要領案公表

<学習指導要領案>40年ぶり授業増 「3.14」完全復活

脱“ゆとり”で基礎基本重視 新学習指導要領案公表

新学習指導要領案改定の主なポイント(要旨)

授業時間30年ぶり増=理数は来春から?新学習指導要領案・文科省

小1、2年で金太郎やかぐや姫 伝統文化尊重 指導要領改定

小中学校、主要教科の授業1割以上増加…新学習指導要領案

授業増に歓迎、不安=「子どものつまずき増える」?条件整備の訴えも・学校現場

脱“ゆとり”で基礎基本重視 新学習指導要領案公表

小1、2年で金太郎やかぐや姫 伝統文化尊重 指導要領改定

 言いたいことは,http://d.hatena.ne.jp/kaikai00/20080118/1200585580などで書いたので繰り返しは書かないけれど,新しい学習指導要領も,教育再生会議もいわゆる「ゆとり教育」路線から転換していない。前に,「ゆとり教育」は「パッチワーク」みたいなものだと書いた。新しい学習指導要領はその一部を違う布に取り替えただけで「ゆとり教育」路線からは転換していない。
 ゆとり教育というものがとても狭く捉えられている。それは,ゆとり教育を「批判」する際には都合がいい。けれども,それは木を見て森を見ないのと同じ。
 そもそも,日教組云々だとか,児童中心主義云々とか,イデオロギー云々とかそういうところでしか捉えられず,議論されず,ただその中で勝った負けたとか,そういうことばかり。そして「ゆとり教育」や「戦後教育」ときちんと向き合わないで始末しようとするのが間違い。
 ゆとり教育からの脱却とか転換とか,3.14の復活だとか,そういうことにだけ目を奪われないで,何が「ゆとり教育」なのか。きちんと見極めようとしてみたらどうだろう。

デマと誤解で満たされた「ゆとり教育」からの脱却

 新学習指導要領が「ゆとり教育」からの脱却だとか転換だというマスコミの報道。それはデマと誤解に満ちている。
 授業時数の増加にしても,教える内容の増加にしても,それが学力向上につながると期待され,そう「確信」している。けれども,それはいったい何処でどのようにして実証されたのか。その期待や確信の根拠は何か。
 もし,これからそれは実証されるのだというなら,それは「ゆとり教育」と変わらない。「ゆとり教育」もそうやって始まり,検証もないまま脱却だ,転換だと言われているのだから。
 「ゆとり教育」に関して,未だに円周率が「3」とかいうことが出てくる。マスコミも「3.14」の復活などという。デマが未だにデマとして認識されていない。
 「ゆとり教育」がもたらした,もっとも貢献したことは「教育」についてデマであるかどうか,根拠の有る無しに関わらず,「ゆとり教育」とは逆のことといえばそれが無批判に歓迎されるという状況を生み出したこと。
 デマと誤解で満たされた「ゆとり教育」からの転換,脱却という今の状況は,教育政策がこれからも検証も無く,場当たり的に進められていくことを意味している。そして,それを検証することもなく,場当たり的にそれが評価されていくことを示している。