「判断すること」を教えて育てること

 携帯電話の話題が取り上げられている。以前,http://d.hatena.ne.jp/kaikai00/20080518/1211038742で書いたことを繰り返し書いておきたいのだけど,規制や禁止をいう大人より,物わかりの良い大人より,きちんと子どもと話せる大人がいいと思う。子どもに携帯電話を持たせるときに,それを持つことで,どういうメリットやデメリットがあるのか,どこまでは自由にできるのか。どこから大人が関与するのか。そういうことをまず子どもと話をしてみたらいい。そういうプロセスを経なかったり,軽視しておいて,問題が起こると禁止や規制をしようということが前面に出てくる。禁止や規制の前に,子どもときちんと話をするプロセスをもっと大事にしたり,重視すべきということ。そういうことは家庭や学校という区別無く,どこでも必要なことだ。
 また,最近感じるのは,子どもに「判断すること」を教えて育てるということをしなくなってきているということ。子どもに結論を与えて,子どもがその結論の通りの言動を行う。そういうことを期待し,しかも,最初に書いたようなプロセスを抜きにしてやろうとする。大人は子どもの手を引っ張って,その手が離れてしまうことを心配している。その手が離れないように禁止や規制をする。子どもはそれに慣れて,自分で判断し試行錯誤することが無くなる。そして,大人の禁止や規制から逸脱するときは,見えないところでということになっていく。
 大人は,禁止や規制をすることで子どもの行動範囲を狭め,そこで子どもを見ているような気になっている。子どもはそれをうまくすり抜けてしまう。すり抜けてしまったとき,子どもが「判断すること」を学び,経験しているかどうかで差が出てくる。
 大人ができることは,子どもに判断することを教えて,育てること。そのためには,子どもと話をして子どもに判断させ,行動させる機会を増やす必要がある。