学力テストに取り憑かれないこと

犬山市>市長が学力テスト不参加派の教育長に辞職要求

 昨年の全国学力テスト(全国学力・学習状況調査)に自治体で唯一参加しなかった愛知県犬山市は25日、教育委員会を開き、参加派の田中志典市長が、不参加派の丹羽俊夫委員長、瀬見井久教育長の辞職を求めた。市長が公の場で辞職要求するのは異例。今年のテストに参加するかを決める来月19日の教育委員会を前に議論が激しさを増しそうだ。

 犬山市のこの問題については
http://d.hatena.ne.jp/kaikai00/20071125/1196000313
http://d.hatena.ne.jp/kaikai00/20070918/1190084971
http://d.hatena.ne.jp/kaikai00/20070410/1176134342
などでこれまで繰り返し言ってきたように,もう少しきちんとした議論をすべきだ。
 ところで,

委員から「国は学力低下を止めるための参考にしたいのだから、市も協力したらどうか」などの意見も出された。

という。先日マスコミが
http://mainichi.jp/life/edu/scholartest/news/20080124ddlk01100529000c.html
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20080124ur02.htm
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20080123AT1G2302223012008.html
http://www.asahi.com/life/update/0123/TKY200801230359.html
といった報道を行った。
 これは,全国学力テストでなければ分からなかったことなのか。また,これは悉皆調査でなければ分からなかったのか。これがどうやって学力向上に結びつくのか。
 もし,犬山市が全国学力テストに参加するとして,いったいどういうメリットがあるのか。報道されているようなことなら地域の小さな単位でも把握できるし,対策を講じることもできる。全国学力テストの問題は単に「協力したらどうか」程度の問題ではない。その程度の問題として議論するのではなく,もう少し真剣な議論をすべきだ。
 犬山市は,まず自分たちにとって何が必要か。そのためには何をすべきか。全国学力テストがなぜ必要か。なぜ必要ないのか。そういうことを全国学力テストという訳の分からない代物に取り憑かれる前に議論してみたらどうだろうか。