目の前にいる子どもから目をそらさないこと

現代社会の子「解毒」する方法

 現代の生活環境が子供の発達に及ぼす影響を分析した英国の元教師の本が、日本語版で発売された。

 最新の科学的な研究成果や知見に基づいて、生活環境改善の具体策も提案しており、日本にとっても示唆に富む内容だ。

 脳科学の成果を教育に取り入れる際もそうだが「最新の科学的な研究成果や知見に基づい」たものであっても,その限界をきちんと見極めることと,現実をきちんと見ること,なにより目の前にいる子どもから目をそらさないことが必要だ。
 脳科学の場合を考えれば分かりやすいけれど,改善策に目を奪われて,目の前にいる子どもの姿が見えなくなっている。改善策が子どもに画一的に講じられる。でも,個々の子どもが抱える問題は一様ではない。そのことを忘れてしまう。
 最新の科学的な研究成果や知見に基づいた改善策に頼り切らないこと。そういうものを信じて疑わないという態度を捨てること。子どもをただ改善策のために変えようとせずに,提言される改善策が適切であるかどうかを見て,改善策の方を変えていくことが大事だ。