学びを昇華させること

 日本と海外の大学入試の違いは,それまでの学びを昇華させるものか,そうでないかだと思う。
 おそらく,日本の大学入試,特にセンター試験http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-307.htmlで紹介されているような問題が出題されることはないだろう。
 日本のセンター試験は,学習指導要領の範囲を逸脱しない。それは,学習指導要領以上のことを望まないという意思表示に他ならない。日本で「学力」とは学習指導要領に示されたものであって,それ以上ではない。
 OECDPISAで日本の子どもがうまく解答できないのは,学習指導要領以上のことを期待せず,学習指導要領に示されてものを「学力」と信じ込み,そこから先を考えないでいるからだ。
 海外の大学入試はPISAによく似ている。カリキュラムに強く規定されないものを学力として想定し,これまでの学びを大学では昇華させることを目的とし,それがどのようなものか入試の問題を通して示そうとしている。
 学習指導要領に示されたことを学力と信じ,それを身につけさえすればいいと信じ,大学教育を学習指導要領によって規定しきた。その中で生まれてくる到達度評価は,単に学習指導要領の中で評価するだけであり,学びを昇華させるということにはならない。