本当にそうだろうか

【正論】犯罪心理学者、聖学院大学客員教授 作田明

 作田氏は、

 発達障害自体は犯罪や非行をひき起こしやすいわけではない。犯罪心理学の上で問題となるのは、最近の日本の特異的な青少年犯罪の中に広汎性発達障害、特にアスペルガー障害と診断されるケースが多いということである。

 問題は諸外国に比べて発達障害の青少年の特異的犯罪が頻発していることにある。多くは家庭および学校教育の問題である。

と指摘し、

 日本の家庭における挨拶(あいさつ)や会話のなさ、学校における一方通行的授業やペーパーテスト重視、討論や発表の機会の乏しさは欧米と比べると際だっている。これが発達障害の子供たちの発見を遅らせるばかりでなく、対人的交流の改善にも役立たない状況を作っていることは明らかである。現在の教育改革の議論においてもこの方向での授業改革についての提言はほとんどなく、無視されているように思われる。

 小人数の教室において教師や他の生徒たちからの働きかけやコミュニケーションの機会をふやすことが、思考力・判断力のある子供たちを育てるとともに発達障害の子供たちに対する適切な対応ともなることを強調したい。

と述べている。
 本当に欧米と比較して、際立つほど日本の家庭では挨拶や会話が少なく、学校では一方通行の授業やペーパーテストが重視され、討論や発表の機会が際立つほど乏しいと言えるだろうか。