教育改革の改革を

第6回 免許更新制と教員受難のパラドクス

 苅谷剛彦氏は、

 根拠の薄い再生会議での議論と、それでもその主張を歓迎し、あと押ししている、教師バッシングという名の教育版ポピュリズムの嵐。この両者が、現実を見えなくさせている。免許更新制を、不適格教員の排除には直接使わないとした中教審の「知恵」も、既得権益の擁護としか見なされない。ここにも「ため」のなさが表れている。

と痛烈に批判している。苅谷氏がこの論文の中で、指摘している問題は国会の審議ではまともに議論されていない。それなのに、もう何時間も議論してきたからとか、公聴会も開いたじゃないかとか、改革しなければ何も進まないとか、全国学力テストの場合と同様に、期待感だとかムードに引きずられてきちんと議論しないまま、改革だけが進んでいく。
 今進められている教育改革は、いわゆる「ゆとり教育」路線の教育改革と同じだ。「ゆとり教育」を否定するはずが、同じ過ちを犯している。
 マネジメントの観点からの教育再生研究会が言うように、「教育改革の改革を」というのをやっていくべきだ。脱却すべきは、現在のような教育改革の進め方だ。